ロスト・ウィズアウト・トランスレーション, 概要

 

LOST WITHOUT TRANSLATION:
Foreigners Struggle to Make Sense of
Japanese Health Care

ロスト・ウィズアウト・トランスレーション

日本の病院で悪戦苦闘する外国人たち  

概要


日本にいる外国人は、医療サービスを受けるにあたって多くの困難を抱えている。言葉や文化が違うことから、病院にかかることをためらって治療がおくれる、病院スタッフとの意思の疎通が思うようにとれない、必要な書類が読めないなどの問題が生じている。その結果として、困っていることが理解してもらえずに、相応のサービスが受けられないと感じている人が少なくない。そして、こうした問題は、医療サービスの質によくない影響を与え、不十分な結果をもたらすことにつながっている。 


ビジネスや教育、文化活動に加え、2020年東京オリンピック・パラリンピックという大規模なスポーツイベントの開催など、日本がグローバル社会に参加する機会が高まるにつれ、国内においても多様化した社会に対応できる保健医療サービスの提供が求められている。外国人患者たちが、これまで日本の医療機関でどのような経験をしてきたのかを知ることは、適切な医療の提供に対して潜在的に障壁となっているリスク要因を理解し、現場スタッフの外国人患者対応をやりやすくするためのヒントを示唆するとともに、結果として医療の質を高めることに繋がるだろう。 

DiversityRx大阪大学大学院人間科学研究科国際協力学講座のチームは、2014年から2015年にかけて、日本にいる外国人を対象に、日本の医療サービスに関するオンライン調査を行った。医療機関にかかった時の経験、現場スタッフとのコミュニケーション、言葉や文化の違いから生じる障壁にどのように対処したのかなど、48の質問項目から成り立っている。約500名の外国人住民や旅行者から回答が寄せられた。

回答者は、日本の医療スタッフからは高い敬意を払われていると感じている一方で、望む医療サービスを受けるためには多くの困難があったことを指摘している。 

·       57%が、言葉や文化の障壁から、医療サービスを受けることがおくれたと回答した

·       60%が、通訳者が必要なことがあったり、英語の話せる医師を探したりしたと回答した

·       通訳者が必要な状況だったがいなかった人の約80%が、そのことが医療の質を低下させたと回答した

·       55%が、医師は病状や治療に関して、分かりやすい明瞭な説明をしてくれなかったと回答した

·       58%が、質問や心配事を、納得するまで医師に応対してもらえなかったと回答した

本報告書は、日本特有の医療の実践や政策を他国と比較しながら、オンライン調査結果の報告をすると同時に、外国人患者の対応に強い関心を持つ行政や医療関係者等の関係各位へ向けた提言を含んでいる。

Research Report and Policy Recommendations (in English)

 

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